生活期に呼吸法をどう生かすか
〇 生活期で困りごとの原因になりやすい自律神経の失調
〇 自律神経を整える方法として呼吸法を生かす
自律神経の知識
● 私たちが意識しないところで生命を維持するために休みなく働いている
● 常にリアルタイムで調整をしている
● 交感神経と副交感神経の2種類で機能している
図1 自律神経(交感神経 と 副交感神経)
図2 自律神経は全身に関係する
ポイント
〇 体全体に影響があるので、様々な症状の原因になり、状態改善を阻む
〇 自分の意志で直接コントロールできない
生活期でよくある問題点は交感神経優位(自律神経の失調)につながる
図3 よくある問題点と交感神経優位のつながり
ポイント
〇 元の原因を解決できない
〇 そもそも交感神経優位で自律神経の失調を来たしやすい方々
〇 西洋医学が苦手な分野、医療不信につながりやすい
〇 ひどくなると、困難なケースと言われてしまう
呼吸の知識
● 自律神経とリアルタイムで連動している
● 止まったら数分で死んでしまう
● 呼吸の回数 ⇒ 1分間:約15回 1日: 約2万回 1年:約730万回
● 調整の仕方で3種類に分けることができる
図4 調整の仕方による呼吸の分類 2)より
ポイント
〇 基本無意識だけど、意識して調整することができる
〇 基本自律神経調整だけど意思で調整できるので自律神経の調整に生かせる(心臓や胃腸などは意識での調整はふつうできない)
〇 生きている限りずっとしているので心身に与える影響が地味に大きい
〇 心の状態に影響を受けている
自律神経と呼吸の関係
自律神経は身体と心をつないでいる、自律神経は呼吸と連動している
図5 自律神経と呼吸は連動している
心・自律神経と呼吸は連動し、お互いに影響しあっている
ゆっくりした呼吸、特にゆっくり吐くことでリラックス(副交感神経優位に)することができる。
図6 自律神経と呼吸の関係
ポイント
〇 心・自律神経と呼吸は連動し、お互いに影響しあっている
【例えば】
自律神経 ⇒ 呼吸:寝ているときはゆっくり吐く呼吸になる
呼吸 ⇒ 自律神経 ⇒ 心: プロスポーツ選手が緊迫の場面で長く息を吐く
心 ⇒ 自律神経 ⇒ 呼吸:大事な面接の前に緊張しすぎて過呼吸で倒れる
〇 呼吸を調整することで自律神経や心を整えることができる
〇 呼吸の仕方は思っている以上に体調に影響与える
まとめ・繰り返し
〇 自律神経の失調は全身様々な症状を引き起こし、利用者さんの困りごとの元になる
〇 生活期で関わる利用者さんは、自律神経が失調しやすい条件をそもそも持っている
〇 呼吸と自律神経・心はリアルタイム連動しながら働く
〇 呼吸は無意識でもするけど意識して調整できる特徴を持つ
〇 自律神経を整える方法として呼吸法は有効な手段
参考・引用文献
1) 本田生夫 「すべての不調は呼吸が原因」.2018
2) 本田生夫 「呼吸を変えるだけで健康になる」.2011
3) 森本榮、黒川幸雄 編 「高齢者の理学療法」.2002
4) 能勢博 「ウォーキングの科学」.2019
コメント